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東京地方裁判所 平成10年(ワ)5222号 判決

原告 山本茂範

原告 植田典仁

原告 綿貫勝

原告 有限会社オフィスミツヨ

代表者取締役 新井田満代

原告 森本健嗣

原告ら訴訟代理人弁護士 宇都宮健児

同 木村裕二

同 岩重佳治

被告 株式会社ビケン

代表者代表取締役 有馬良幸

訴訟代理人弁護士 合谷幸男

主文

一  被告は、原告山本茂範に対し、二三六万二四五四円及びうち一八〇万〇〇〇〇円に対する平成八年一二月一五日から、うち三万九〇〇〇円に対する平成八年一二月三一日から、うち五二万三四五四円に対する平成九年七月四日から各完済まで、それぞれ年五分の割合による金銭を支払え。

二  被告は、原告植田典仁に対し、一九七万六〇八三円及びうち一三三万九〇〇〇円に対する平成八年一二月二六日から、うち五〇万円に対する平成九年一月三一日から、うち一三万七〇八三円に対する平成九年六月一九日から各完済まで、それぞれ年五分の割合による金銭を支払え。

三  被告は、原告綿貫勝に対し、二〇七万二二五二円及びうち一八三万九〇〇〇円に対する平成八年一二月一八日から、うち二三万三二五二円に対する平成九年七月四日から各完済まで、それぞれ年五分の割合による金銭を支払え。

四  被告は、原告有限会社オフィスミツヨに対し、二二七万七一五〇円及びこれに対する平成九年一月二四日から完済まで年五分の割合による金銭を支払え。

五  被告は、原告森本健嗣に対し、二四四万六五五〇円及びこれに対する平成九年七月一日から完済まで年五分の割合による金銭を支払え。

六  原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

七  訴訟費用は、

1  原告山本茂範と被告との間に生じた費用はこれを四分し、その一を原告山本茂範の負担とし、その余を被告の負担とし、

2  原告植田典仁と被告との間に生じた費用はこれを四分し、その一を原告植田典仁の負担とし、その余を被告の負担とし、

3  原告綿貫勝と被告との間に生じた費用はこれを四分し、その一を原告綿貫勝の負担とし、その余を被告の負担とし、

4  原告有限会社オフィスミツヨと被告との間に生じた費用はこれを五分し、その一を原告有限会社オフィスミツヨの負担とし、その余を被告の負担とし、

5  原告森本健嗣と被告との間に生じた費用はこれを一〇分し、その一を原告森本健嗣の負担とし、その余を被告の負担とする。

八  この判決は、原告ら勝訴部分に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一当事者の求めた裁判

一  原告ら

1  被告は、原告山本茂範に対し、三一八万六四五四円及びうち二六六万三〇〇〇円に対する平成八年一二月一五日から、うち五二万三四五四円に対する平成九年七月四日から各完済まで、それぞれ年五分の割合による金銭を支払え。

2  被告は、原告植田典仁に対し、二八〇万〇〇八三円及びうち二六六万三〇〇〇円に対する平成八年一二月一八日から、うち一三万七〇八三円に対する平成九年六月一九日から各完済まで、それぞれ年五分の割合による金銭を支払え。

3  被告は、原告綿貫勝に対し、二八九万六二五二円及びうち二六六万三〇〇〇円に対する平成八年一二月一八日から、うち二三万三二五二円に対する平成九年七月四日から各完済まで、それぞれ年五分の割合による金銭を支払え。

4  被告は、原告有限会社オフィスミツヨに対し、二六六万三〇〇〇円及びこれに対する平成九年一月二四日から完済まで年五分の割合による金銭を支払え。

5  被告は、原告森本健嗣に対し、二七〇万五〇〇〇円及びこれに対する平成九年七月一日から完済まで年五分の割合による金銭を支払え。

6  訴訟費用は被告の負担とする。

7  仮執行宣言

二  被告

1  原告らの請求をいずれも棄却する。

2  訴訟費用は原告らの負担とする。

第二事案の概要

本件は、被告と建物クリーニング工事の施工代理店契約を締結した原告らが、被告には右契約上必要な指導教育を行う義務違反等の債務不履行があり、その結果原告らと被告との信頼関係が破壊されたなどと主張して、右契約を解除する旨の意思表示をするなどし、契約の解除に伴う原状回復請求等として、右契約に伴って被告に支払った加盟費等の返還等を請求した事案である。

一  基礎となる事実

(証拠によって認定した事実については、括弧内に認定に供した証拠を掲記する。)

1  当事者

被告は、建物の清掃及び洗磨等を目的とする株式会社である。

原告らは、いずれも、被告と建物クリーニング工事に関する施工代理店契約を締結した者である。

2  本件施工代理店契約の締結

原告らは、被告との間で、それぞれ、左記(一)の日に、概要左記(二)の内容の施工代理店契約(以下「本件施工代理店契約」という)を締結した。

(一) 契約日

原告山本茂範(原告山本) 平成八年一二月一四日

原告植田典仁(原告植田) 平成八年一二月一七日

原告綿貫勝(原告綿貫)  平成八年一二月一七日

原告有限会社オフィスミツヨ(原告オフィスミツヨ)

平成九年 一月二三日

原告森本健嗣(原告森本) 平成九年 六月三〇日

(二) 契約内容〔甲三ないし七号証〕

(1)  原告らは、将来継続して被告の施工専属代理店として被告の発注する建物クリーニング工事に従事する。

本契約の存続期間中、原則として原告らは被告からの発注工事以外の工事をしてはならない。(第一条・基本契約)

(2)  被告は、受注金額の六五パーセントを施工代理店である原告らに工事代金として支払うものとする。(第三条・発注形態)

(3)  被告は、原告らに対して継続的に工事を発注して、原告らの収入の保証を図るよう努めるものとする。(第四条・営業保証)

(4)  原告らは、被告より発注する工事に対して完全責任施工を実施する。

原告らは、工事完了後被告又は顧客の検査を受けなければならない。

被告又は顧客からの手直工事の要請があった時は、原告らは、その責任において直ちに手直工事を行う。(第五条・工事施工)

(5)  毎月二五日を締切日として、原告らは被告指定の請求用紙を用いて翌月五日までに被告に一か月間の工事代金を請求し、被告は末日に請求にかかわる工事代金を原告らに支払う。(第六条・代金支払)

(6)  原告らは、被告に対し、以下の契約金を支払う。(第一三条)

加盟費   一三〇万円

預り保証金  五〇万円

材料費    八〇万円

3  契約金の支払

原告らは、被告に対し、それぞれ以下のとおり、右(二)(6) 記載の金銭を支払った。

原告山本〔甲八号証〕

<1>加盟金          一三〇万〇〇〇〇円 平成八年一二月一四日

<2>預り保証金         五〇万〇〇〇〇円 平成八年一二月一四日

<3>材料費           八〇万〇〇〇〇円 平成八年一二月一四日

<4>消費税(<1><3>に対し) 六万三〇〇〇円 平成八年一二月三〇日

原告植田〔甲九号証〕

<1>加盟金(消費税含む)   一三三万九〇〇〇円 平成八年一二月二五日

<2>預り保証金         五〇万〇〇〇〇円 平成九年 一月三〇日

<3>材料費(消費税含む)    八二万四〇〇〇円 平成九年 一月三〇日

原告綿貫〔甲一〇号証〕

<1>加盟金(消費税含む)   一三三万九〇〇〇円 平成八年一二月一七日

<2>預り保証金         五〇万〇〇〇〇円 平成八年一二月一七日

<3>材料費(消費税含む)    八二万四〇〇〇円 平成八年一二月一七日

原告オフィスミツヨ〔甲一一号証〕

<1>加盟金(消費税含む)   一三三万九〇〇〇円 平成九年 一月二三日

<2>預り保証金         五〇万〇〇〇〇円 平成九年 一月二三日

<3>材料費(消費税含む)    八二万四〇〇〇円 平成九年 一月二三日

原告森本〔甲一二号証〕

<1>加盟金(消費税含む)   一三六万五〇〇〇円 平成九年 六月三〇日

<2>預り保証金         五〇万〇〇〇〇円 平成九年 六月三〇日

<3>材料費(消費税含む)    八四万〇〇〇〇円 平成九年 六月三〇日

4  原告山本、同植田及び同綿貫の労務の提供

原告山本、同植田及び同綿貫は、それぞれ左記期間に、原告の発注した建物クリーニング工事を行う労務提供を行ったが、これを工事代金に評価すると左記金額のとおりであるところ、被告は、右原告らに対し、この金額の支払をしていない。

期間              金額

原告山本 平成九年五月二六日ないし七月三日  五二万三四五四円

〔甲一六号証〕

原告植田 平成九年五月二七日ないし六月一八日 一三万七〇八三円

〔甲一七号証〕

原告綿貫 平成九年五月二七日ないし七月三日  二三万三二五二円

〔甲一八号証〕

5  原告らによる本件施工代理店契約解除の意思表示

原告山本、原告植田及び原告綿貫は、被告に対し、被告の債務不履行及び信頼関係の破壊を理由に本件施工代理店契約を解除する旨の意思表示をし、これらは、平成九年七月八日、同年七月七日、同年七月七日にそれぞれ被告に到達した。また、原告オフィスミツヨ及び原告森本は、本件訴状(平成一〇年三月三〇日送達)により、本件施工代理店契約を解除する旨の意思表示をした。

二  争点

本件における主要な争点は、被告に本件施工代理店契約上の債務不履行があり、原告らによる解除が有効になされたものと認められるか否かである。

三  争点に関する当事者の主張

1  原告山本、原告植田及び原告綿貫

被告は、本件施工代理店契約において、以下のような契約上の義務に違反し、被告との信頼関係を完全に破壊させ、原告山本、原告植田及び原告綿貫ら(以下「原告ら三名」という)の本件施工代理店契約の目的は達成不可能となった。

そこで、原告ら三名は、前一5のとおり、本件施工代理店契約を解除する旨の意思表示をした。

したがって、原告ら三名は、被告に対し、原状回復請求権に基づき、支払済みの加盟費、預り保証金、材料費の返還を、また、不当利得に基づき、未払労務費の支払をそれぞれ求める。

(一) 必要な指導・教育を行う義務違反

(1)  被告は、施工代理店の募集広告にあたり、「初心者でも安心」とうたい、原告オフィスミツヨに若干の経験があるほかは、原告らがハウスクリーニングに関して全くの素人であることを承知の上で本件施工代理店契約を締結し、原告らも、初心者でも安心であるという被告の説明を信じて本件施工代理店契約を締結したものであるから、被告には、本件施工代理店契約上、初心者である原告らが施工代理店として独立して仕事を行えるだけの技術指導・経営指導を行うべき義務があった。

また、原告らが施工代理店として稼働するためには、「クリーニング・マニアル」(乙一号証)に記載された程度の技術習得が必要であり、被告には、原告らに対し、右の程度の技術指導を行う義務があった。しかも、このような技術を習得するためには、個々の作業項目の訓練と一連の作業の訓練とを要し、そのために必要な期間は一か月以上であるし、これに加えて薬品の使用方法も習得する必要がある。

さらに、被告は、原告らに対し、本件施工代理店契約締結に当たり、施工代理店の下請職人の技術指導も行う旨を約したものであり、原告らはこのことを前提に本件施工代理店契約を締結したものであるから、被告には、原告らの下請職人の技術指導を行う義務もあった。

(2)  ところが、本件施工代理店契約締結後に原告ら三名に対して行われた「研修」とは、被告の受注した作業を無償で手伝わされたものに過ぎず、「クリーニング・マニアル」に沿った作業項目の説明はほとんどなかった。また、右「研修」の際「指導」にあたった被告従業員は、十分な経験のない者で、「指導」の内容は頼りなく、いい加減なものであった。

また、被告は、原告ら三名に対し、下請職人に対する指導は施工代理店が行うよう一方的に通告し、下請職人に対する指導は一切行わなかった。

さらに、原告ら三名は、被告に対し、作業方法の指導を求めたが、被告はこれに応じなかった。

以上のように、被告は、原告ら三名に対する施工代理店として仕事を行うために必要な指導・教育を行う義務を怠ったものである。

(二) 適切な工事の発注を安定的に確保する義務違反

(1)  本件施工代理店契約は、被告が、原告ら三名に対し、原告ら三名とそれぞれの下請職人が行うだけの充分な仕事を発注することを前提とするものであり、被告は、代理店募集の広告や本件施工代理店契約にかかる契約書第四条でもこれを約し、その上、被告以外からの受注を禁止したのであるから、被告には、可能な限りの手段を尽くして原告らとその下請職人の仕事を安定的に確保する義務があった。

なお、右義務の内容としては、原告や下請職人の力量に配慮して、無理な労働を強いることのない範囲内で仕事を発注する義務があったというべきであり、建物クリーニング工事の実態を考慮すれば、少なくとも数日前までに仕事の発注を済ませる社会通念上の義務があったものである。

(2)  ところが、被告は、平成九年一月及び同年五月、六月ころには、原告ら三名やその下請職人に充分な仕事を確保することを怠った。一方、平成九年二月、三月ころには、被告は、原告ら三名の力量を無視してその処理能力をはるかに超える仕事を押しつけ、連日早朝から深夜に及ぶ過酷な労働を強い、また、原告ら三名への仕事の発注は前日の夜七時ころに行う状態であった。

このように、被告は、原告ら三名に対し、適切な工事の発注を安定的に確保する義務を怠ったものである。

(三) 正規の工事代金を支払う義務

(1)  被告が原告ら三名に対し、正規の工事代金を支払うことは、本件施工代理店契約における当然の義務である。また、ハウスクリーニング業界では、万一受注者の工事に問題があっても、これに手直し工事の機会を与え、工事代金の値引きはしないのが常識であるから、本件施工代理店契約締結時に工事代金の値引きについての取り決めがない以上、工事に問題箇所があれば原告ら三名に手直しの機会を与え、工事代金の値引きを行うべきではない。

(2)  ところが、被告は、原告ら三名に手直しの機会を与えなかったどころか、被告などが行った手直し工事を口実に工事代金の恣意的な値引きを行い、原告ら三名に対する正規の工事代金の支払を意図的に行わなかったものである。

2  原告オフィスミツヨ及び原告森本

被告には、原告オフィスミツヨ及び原告森本に対しても、右1(一)と同様の施工代理店として業務を遂行するのに必要な技術指導・経営指導を行う義務があるところ、被告はこれを行わず、逆に「研修」と称して原告オフィスミツヨ及び原告森本を無償で働かせた。

原告オフィスミツヨ及び原告森本は、原告ら三名を通じて右1のような被告の債務不履行の事実を知るとともに、当初の説明とは全く異なる本件施工代理店契約の実態を知り、本件施工代理店契約の目的である施工代理店としての安定した経営という目的が達成できないことが判明したことにより、原告オフィスミツヨ及び原告森本の被告に対する信頼関係は完全に崩壊した。

そこで、原告オフィスミツヨ及び原告森本は、被告に対し、前一5のとおり、本件施工代理店契約を解除する旨の意思表示をした。

したがって、原告オフィスミツヨ及び原告森本は、被告に対し、原状回復請求権に基づき、支払済みの加盟費、預り保証金及び材料費の返還を求める。

3  被告

被告に債務不履行はない。なお、原告らが主張する被告の義務に関連する本件施工代理店契約の経過は次のとおりである。

(一) 研修について

被告は、原告らに対し、研修期間について、下請職人の場合は八日、施工代理店の場合は二〇日間で、いずれも無償であり、この間に技術指導、経営指導を行うとの説明をした。

そして、被告は、原告ら三名に対し、「クリーニング・マニアル」に基づいて一〇日間の現場での技術指導及び四日間の講義を実施した。なお、クリーニング作業は、その性質上、作業現場において指導するほかはないものである。

この間、被告が原告山本及び原告植田に対し、有料でのクリーニング作業を依頼したことがあるが、これは、被告の下請職人が不足したためであり、その代金は支払い済みである。

また、原告オフィスミツヨ及び原告森本は、研修の途中で参加しなくなった。

(二) 工事発注について

原告ら三名については、研修期間が当初から平成九年一月一八日まで予定されていたものであり、独立して施工するようになったのは同年一月二二日からである。

被告は、それ以来、原告ら三名に対して継続的に工事を発注してきた。平成九年六月以降、発注が減少したのは、同年六月二日、被告が、原告らに対し、施工が雑である旨の注意をしたところ、原告ら三名が非協力的な態度をとり、欠勤が続いたためである。

また、作業時間については、熟練工でない原告ら三名が一日で作業を終えられなければ翌日に行えばよいのであり、無理に長時間の労働をする必要はなかったものである。

(三) 工事代金について

被告が、原告ら三名に対し、「ペナルティ」相当額を差し引いたことはあるが、これは、施主から工事手直しの要求があると、被告の信用失墜につながるため、これを予防するために予め取り決めているものである。被告は、これに該当する事由が発生した場合に約定のペナルティを課したに過ぎない。

第三争点に関する判断

一  前示の基礎となる事実及び証拠〔甲一、二、一九ないし二一、三三ないし三七号証、乙一号証〕並びに弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。

1  本件施工代理店契約締結に至る経緯

(一) 被告は、昭和五六年四月に設立された会社であり、下請職人に発注して施工させる形態でのハウスクリーニング業を営んでいたが、平成八年一一月ころから、「施工代理店制」を採用することとし、新聞の折込広告等によって施工代理店を経営する者の募集を開始した。折込広告は、「年商三〇〇〇万円(可能)経営者募集!!施工代理店(ハウスクリーニング)を経営してみませんか!」と大書したもので、「営業(受注)の心配は全くありません。当社にて責任を持って発注します。」「初心者でも安心、技術はもとより経営ノウハウもアドバイス!」と記載されている。

(二) 原告ら三名は、平成八年一一月ころ、右(一)記載のような被告の施工代理店を募集する広告を見て、被告に問い合わせをするとともに、被告従業員の水川から説明を聞いた。その説明内容は、被告が技術や経営における指導や下請職人のあっせん・指導等のバックアップ体制を整えているので、ハウスクリーニングの経験がなくても全く心配はいらない、積水ハウス等の大手ハウスメーカーと契約しているので仕事を断っている状態であり、受注に問題はない、などというようなものであった。また、原告らは、その収入について、水川から、「施工代理店に対して住宅クリーニングと発注する方法にて積算」と題する書面(甲二号証)を示され、二人の下請職人を使用した場合、施工代理店には月額七九万二〇〇〇円、下請職人には月額三八万四〇〇〇円の収入が見込まれ、これは、稼働率を七〇パーセントとした場合の数字であるとの説明を受けた。

そこで、原告ら三名は、被告による技術指導等が行われ、安定した受注と収入が得られるので施工代理店として事業を行うことができるものと考え、基礎となる事実2のとおり、被告と本件施工代理店契約を締結し、基礎となる事実3のとおり、加盟金、預り保証金及び材料費の合計二六〇万円と消費税を支払った。

原告オフィスミツヨの取締役新井田満代の夫で同社の実質的なオーナーである新井田研一(以下「新井田」という)も、平成九年一月ころ、被告の新聞折込広告を見て被告に連絡を取り、原告ら三名と同様の説明を受けて一月二三日に本件施工代理店契約を締結した。なお、新井田研一は、それまで一年半ほど事業所の床清掃やハウスクリーニングの経験を有していた。

原告森本は、平成九年六月ころに被告の新聞折込広告を見て被告に連絡を取り、水川から他の原告らと同様の説明を受けたところ、技術を身につけて独立して安定した仕事ができるものと考え、七年余り勤めていた会社を退職して、六月三〇日に本件施工代理店契約を締結した。

2  本件施工代理店契約締結後の状況

(一) 原告ら三名について

(1)  原告ら三名は、本件施工代理店契約締結の数日後から、「研修」を受けることになった。初日にはクリーニングの方法が施工項目ごとに記載された被告作成名義の「クリーニング・マニアル 作業指導要領」と題する書面(乙一号証。以下「本件マニュアル」という。)を交付されたが、その内容についての説明はほとんどなく、「研修」というのも、被告が注文を受けた現場で下請職人と同様の作業をするものに過ぎなかった。その中で、被告の工務主任である山西による作業内容の説明もあったが、山西は、経験に乏しく、技術にも習熟しておらず、満足な説明ができない状態であった。

また、被告の当初の説明によれば、「研修」期間は一週間程度ということであったが、結局、現場作業の手伝いのようなものを平成九年一月二〇日ころまで約一〇日間続けることとなった(この間は無償であった上、早朝から深夜まで作業が続くことがほとんどであった。)。

(2)  平成九年一月二二日、原告ら三名は、クリーニング技術の習得が不十分なまま、施工代理店として、被告からの注文を受け、下請職人を使用して作業するようになった。この際、当初の被告の説明とは異なり、被告から原告ら三名に対し、下請職人の指導は施工代理店がやるようにとの話がされた。

平成九年二月から三月にかけては、被告からの受注は順調であったが、ほぼ毎日仕事があり、一日に数件の作業が発注されることもあったばかりか、朝七時ころから午後一一時ころまで作業をしなければならないような状態が続き、原告ら三名やその下請職人らの体力はその限界に達するような状態が続いた(なお、そのためもあってか、原告ら三名の下請職人らは、一週間から二か月くらいの短期間で皆辞めていってしまった。)。また、被告から原告ら三名に対して仕事が発注されるのは、多くの場合、前日の午後八時ころになってのことであった。

一方、同年五月から六月にかけて被告からの受注量は減少し、二、三日に僅か一件程度という状態が続いた。

(3)  また、原告ら三名が被告からクリーニング工事を受注した現場について、原告らの施工に問題があるということで、被告が工事代金の減額をすることが度々あり、これらの場合には原告らに手直し工事をさせないばかりか、問題があるとする理由も、「全体的にきたない」「全体的にクリーニングしているように見えない」というように漠然としたものが多かった。

(二) 原告オフィスミツヨについて

新井田は、平成九年一月二八日から「研修」を受けることになったが、その内容は、右(一)の原告ら三名と同様、被告が受注した現場で作業をしながらのものであったが、指導員自身がしなければならない作業量が多くて、新井田に対する技術指導は行われず、新井田は長時間の現場作業を強いられるだけであった。結局こうした「研修」を五日間続けたが、若干のハウスクリーニングの経験がある新井田は、今後も過酷な労働を強いられることが確実であると考え、平成九年二月三日、被告従業員水川に施工代理店を辞めたい旨を伝えた。

その後、新井田は、右(一)の原告ら三名から話を聞き、確定的に本件施工代理店契約を解除する意思を固めた。

(三) 原告森本について

原告森本の「研修」は、二、三週間の期間を要するものであるとの説明の下、平成九年七月一日から始まったが、それは、現場で数分の説明の後、「指導員」である山西と手分けしてクリーニング作業をするという内容のもので、連日朝八時ころから夜遅くまで、時によっては深夜まで作業をする日が一〇日ほど続いた。その結果、原告森本は体調を壊して自宅で休むこととなったが、その間、原告森本は、被告の従業員を辞めたという鳥海から本件の他の原告らの紹介を受け、その話を聞いた。そして、被告には施工代理店をサポートする体制がないのではないかとの疑問を抱き、同年八月初めに被告に説明を求めたが、満足のいく説明が得られなかったことから、被告に対する信頼を失い、本件施工代理店契約の解除を決意した。

二  本件施工代理店契約上の被告の義務

1  前示の基礎となる事実及び証拠〔甲三ないし七号証、乙一、三号証〕並びに弁論の全趣旨によれば、本件施工代理店契約の基本的な構造ないし性質は、以下のとおりであると認められる。

本件施工代理店契約は、ハウスクリーニング業務を営む被告が、自ら下請職人を雇ってハウスクリーニング作業を行うのではなく、被告が、工務店等から注文を受けたハウスクリーニング作業をさらに独立の営業主体である「施工代理店」に発注し、すなわち下請けさせ、施工代理店の業務として作業を行わせるという形態をとるものである。この場合、実際に作業に当たる職人の採用や指導、作業現場の管理等は施工代理店が行うことになり、被告の業務内容は、契約当初に施工代理店に対する技術指導等を終えた後は、主に工務店等からの受注と施工代理店への発注、施工代理店に対する工事代金の支払等に限定されることになるから、被告の業務の「合理化」を図ることができる、というわけである。なお、乙一号証からも明らかなように、ハウスクリーニング作業はいくつかの工程を経る必要があり、それぞれの工程について必要な技術を習得した上でないと作業を効率よく行うことはできない性質のものである。

一方、本件施工代理店契約にかかる「施工代理店契約書」(甲三ないし七号証、乙三号証)によれば、原則として、施工代理店は被告からの発注工事以外の工事をしてはならないものとされ、また、クリーニング工事の施工内容や工期については被告の指示によるものとされており、工事に必要な材料についても被告から提供を受け、その代金は契約時に支払うこととされているのであって、「施工代理店」は、独立の経営主体という形態をとりながらも、実際上、被告の強い管理の下に置かれているところである。

2  そして、右の本件施工代理店契約の構造ないし性質に照らし、また、基礎となる事実2(二)(3) のとおり、本件施工代理店契約にかかる契約書の第四条に「営業保証」として、被告は、施工代理店に対して継続的に工事を発注して施工代理店の収入の保証を図るように努めるものとする旨が規定されていること、甲一号証によれば、被告が、施工代理店の契約対象者として、ハウスクリーニング作業や経営の経験のない者も想定していたことが明らかであること、前一1のとおり、被告が、本件施工代理店契約に関心を示した原告らに対し、ハウスクリーニングの経験がなくても技術指導や経営指導を行うから心配はいらないとの趣旨の説明をしたこと、施工代理店契約を締結する者は、契約締結に際し、二六〇万円もの「契約金」を支払うこと等の諸事情を考慮すれば、被告は、本件施工代理店契約の相手方である原告らに対し、被告の施工代理店として適切に業務を遂行し、安定した経営ができるように配慮すべき本件施工代理店契約上の義務を負っていたものと認めるのが相当である。

3  そして、右のところよりすれば、右の被告の配慮義務は、具体的には次のような内容の義務を含むものというべきである。

(一) 必要な技術的指導を行うべき義務

右2のとおり、被告は、本件施工代理店契約の契約者を募集するに当たり、ハウスクリーニング作業や経営の経験のない者をも対象とし、原告らに対し、経験がなくても技術指導を行うから心配はいらない旨の説明をしたのであり、契約締結後には、自らハウスクリーニング作業を施工し、あるいはこれを下請職人に施工させる立場に立つ原告らに対して、ハウスクリーニング作業を業務として継続的に施工していくに足りるだけの技術を指導すべき義務を負うところである。

(二) 安定的な工事の発注を行うように努めるべき義務

右2のとおり、本件施工代理店契約は、被告が施工代理店に対して継続的に工事を発注して、施工代理店の収入の保証を図るよう努めるものとする旨を規定しているのであって、被告は、施工代理店となる原告らに対し、継続的かつ安定的に工事の発注を行うように努めるべき義務を負うものと認められる。

もっとも、被告が原告らに発注する工事の量は、もとより被告自身が受注する工事の量等に連動するものであるから、これと無関係に、単純に被告が原告らに発注した工事量の変化から直ちに右の義務違反の有無を判断することが相当でないことはいうまでもない。

(三) 適正な工事代金を支払うべき義務

被告が原告らに対し、本件施工代理店契約に基づく適正な工事代金、すなわち被告の受注金額の六五パーセントを支払うべき義務を負っていることはいうまでもない。

もっとも、原告らによるハウスクリーニング作業に不備がある場合等に右代金が減額されることがあることは、本件施工代理店契約の性質上、当然というべきであるが、本件施工代理店契約第五条は、工事に不備があった場合には、被告又は被告への発注者からの要請を受けて施工代理店が手直し工事を行うことを規定しているのであるから、右の減額が行われるのは、手直し工事によっても十分な作業がされなかったり、工事の不備が繰り返されたりして、契約の趣旨、目的に照らし、工事代金の減額を相当とする場合に限られると解されるところである(なお、本件マニュアル「通達事項(附則)」には、手直し工事一回につき、ペナルティとして五〇〇〇円から三万円を差し引く旨の記載があるが、本件マニュアルは、本件施工代理店契約締結後に被告が原告らに対し交付したものであり、原告らが右の「通達事項(附則)」の記載内容を了承していたものと認めるに足りる証拠はないから、これによっても右の点についての判断は何ら左右されるものではない。)。

三  被告の義務違反の有無

そこで、被告に、右二で認定・説示した本件施工代理店契約上の義務違反があったか否かについて検討する。

1  必要な技術的指導を行うべき義務違反の有無について

(一) 前示一2のとおり、被告は、原告らと本件施工代理店契約を締結した後、本件マニュアルを原告らに交付し、「研修」と称する技術習得期間を設けたが、これは、実際には、一〇日間程度、被告が受注したハウスクリーニング工事の現場でその作業を手伝わせるだけの内容のもので、このことは、原告ら全員に共通することであった。しかも、その現場で「指導」にあたった被告従業員の山西は、ハウスクリーニングに関する充分な経験も知識も技術も有しておらず、原告らがハウスクリーニング作業を自ら施工できるようになるような技術的指導が行われたと認めることは到底できないものである。

前示のとおり、ハウスクリーニング作業は、それぞれの工程についての必要な技術の習得とそれを効率よくこなす能力を要求されるものであるところ、原告らが施工代理店として被告からハウスクリーニング工事の注文を受け、下請職人を使って満足のいく作業ができるようになるためには、もとより経験を積むことも必要ではあるが、まず、少なくとも各作業の項目ごとの基礎的な技術指導とそれを習得するための相応の充分な訓練期間が必要であることはいうまでもない。ところが、ハウスクリーニング作業の技術の習得のためには現場作業が必要であることは否定できないものの、被告が、原告らに対し、そのような現場作業を通じてであれ、右のような基礎的な技術指導を行い、あるいは必要な訓練期間を設けていたといえないことは明らかである。右の点について、十分な技術指導をし、原告らがこれを習得したとの趣旨の乙一〇号証(被告代表者の陳述書)の記載があるが、これは、具体的な指導内容を何ら明らかにしたものでなく、採用することができない。

(二) 以上によれば、被告には、本件施工代理店契約上の原告らに対する必要な技術的指導を行うべき義務の違反があったものというべきである。

2  安定的な工事の発注を行うように努めるべき義務の違反の有無について

乙四ないし六号証によれば、原告山本、原告植田及び原告綿貫が施工代理店として被告から工事を受注するようになった平成九年一月二二日以降、四月中旬まではほぼ毎日、日によっては複数件の発注が被告からあったものと認められる。ところが、その後四月下旬から六月下旬にかけては発注数が減り、場合によっては五日間ほど発注がない日が続くこともあったものと認められる。

しかし、右の時期はちょうど家の新築入居件数自体が減少する期間であるから、原告らに対する発注数の減少は被告に対する工務店等からの発注の減少に伴うものと推認されるのであり、右の発注量の減少の事実のみをもって被告に安定的な工事の発注を行うように努めるべき義務の違反があったと速断することはできず、他に右の義務違反があったものと認めるに足りる的確な証拠はない。

3  適正な工事代金を支払うべき義務の違反の有無について

(一) 甲一九ないし二一号証(検査票)及び乙四ないし六号証によれば、被告は、原告ら三名が被告から注文を受けてハウスクリーニング工事を施工した後の検査により、工事の不備があったとして手直しを行い、その場合に工事代金の減額を行うことが度々あったことが認められる。そして、右の手直し工事は、当初の工事に当たった施工代理店が行う場合と被告の従業員(時には他の施工代理店)が行う場合とがあったが、いずれの場合にも数千円から一万五〇〇〇円程度の工事代金の減額処理が行われたことが認められるところ、施工代理店に対する支払金額の多くが工事一件当たり二万円前後であった〔乙四ないし六号証〕ことに照らすと、右の減額の割合は相当程度高いものとなっていたということができる。

確かに、工事の不備があった場合に、その内容によっては代金の減額処理を相当とする場合があることは前示二3(三)のとおりであるが、被告による減額処理はその基準が明らかでなく、かつ、右検査票の記載からも工事の不備の内容が明らかとはいえないものが多いことからすれば、被告による減額処理は、これを相当なものとして是認することができない。

(二) したがって、被告には、原告らに対する適正な工事代金を支払うべき義務の違反があったものというべきである。

4  以上を総合すれば、被告は、原告山本、原告植田及び原告綿貫が被告の施工代理店として適切に業務を遂行し、安定した経営をすることができるよう配慮すべき本件施工代理店契約上の義務に違反したものと認められ、このことは、前示の本件施工代理店契約の性質に照らせば、右の原告らの被告に対する本件施工代理店契約上の信頼関係を破壊するに足りるものであったというべきである。

一方、原告オフィスミツヨ及び原告森本は、被告から施工代理店として独立した注文を受ける段階に至っていなかったものであるが、前示一2(二)、(三)のとおり、右の原告らに対しても、右1の必要な技術的指導を行うべき義務違反の事実があったものと認められるのであり、その上で、右の原告らが、被告の右3の義務違反の事実について他の原告ら三名から聞き知ったというのであるから、原告オフィスミツヨ及び原告森本についても、本件施工代理店契約上の被告に対する信頼関係が破壊されるに足りるものであったと認めるのが相当である。

5  以上によれば、原告らが被告に対してした本件施工代理店契約を解除する旨の意思表示は、いずれも有効にされたものと認められる。

四  そこで、本件施工代理店契約解除に伴い、その現状回復等として、被告が原告らに対して支払うべき金銭の額について検討する。

1  加盟金及び預り保証金について

原告らが被告に対して支払った加盟金各一三〇万円とその消費税三万九〇〇〇円(但し原告森本については六万五〇〇〇円)及び預り保証金各五〇万円は、本件施工代理店契約の解除に基づく原状回復義務の履行として被告が原告らに支払うべきものである。

2  材料費

材料費については、原告らがこれに相当する材料を一応受領し、使用したものと認められる〔弁論の全趣旨〕から、本件施工代理店契約が解除されても、これに伴う原状回復義務の内容として被告がこれを支払うべき性質のものと認めることはできない。

ただし、甲三五号証によれば、原告オフィスミツヨは、ポリッシャー一式、スポットリンサー一式、ハイポール一式、三尺脚立及び六尺脚立を被告から受領していないことが認められ、乙八号証によれば、これらの未受領材料の対価は四三万八一五〇円に相当するものと認められる。また、甲三二、三六号証及び乙八号証によれば、原告森本は五八万一五五〇円相当の材料を受領していないことが認められる。したがって、原告オフィスミツヨ及び原告森本については、被告は、本件施工代理店契約の解除に基づく原状回復義務として、右の未受領材料の対価相当額を支払う義務を負うものである。

なお、原告らは、被告から受領した材料は役に立たなかったとして、その余の材料費相当額の返還をも主張するようであるが、右の主張事実を認めるに足りる的確な証拠はない。

3  労務提供費

原告ら三名が施工した建物クリーニング工事の代金のうち、被告による支払がされていない金額は基礎となる事実4のとおりであり、これらは、本件施工代理店契約の解除に基づく原状回復義務の履行として被告が原告ら三名に支払うべきものである。

4  まとめ

以上によれば、本件施工代理店契約解除に基づく原状回復義務の履行として被告が原告らに対し支払うべき金銭の額は、以下のとおりである。

(一) 原告山本      二三六万二四五四円

(二) 原告植田      一九七万六〇八三円

(三) 原告綿貫      二〇七万二二五二円

(四) 原告オフィスミツヨ 二二七万七一五〇円

(五) 原告森本      二四四万六五五〇円

なお、原告らは、本件施工代理店契約の錯誤無効若しくは詐欺取消しに基づく不当利得返還請求及び不法行為に基づく損害賠償請求をも選択的に主張するが、これらのいずれの請求が認められても、その認容額が遅延損害金も含めて本件で認容される金額を超えることはない。

第四以上のとおりであるから、原告らの請求は、被告に対し、

一  原告山本が、二三六万二四五四円及びうち一八〇万〇〇〇〇円に対する平成八年一二月一五日(原告山本による支払の翌日)から、うち三万九〇〇〇円に対する平成八年一二月三一日(同右)から、うち五二万三四五四円に対する平成九年七月四日(原告山本による労務提供の最終日の翌日)から各完済まで、それぞれ民法の定める年五分の割合による遅延損害金

二  原告植田が、一九七万六〇八三円及びうち一三三万九〇〇〇円に対する平成八年一二月二六日(原告植田による支払の翌日)から、うち五〇万円に対する平成九年一月三一日(同右)から、うち一三万七〇八三円に対する平成九年六月一九日(原告植田による労務提供の最終日の翌日)から各完済まで、それぞれ民法の定める年五分の割合による遅延損害金

三  原告綿貫が、二〇七万二二五二円及びうち一八三万九〇〇〇円に対する平成八年一二月一八日(原告綿貫による支払の翌日)から、うち二三万三二五二円に対する平成九年七月四日(原告綿貫による労務提供の最終日の翌日)から各完済まで、それぞれ民法の定める年五分の割合による遅延損害金

四  原告オフィスミツヨが、二二七万七一五〇円及びこれに対する平成九年一月二四日(原告オフィスミツヨによる支払の翌日)から完済まで民法の定める年五分の割合による遅延損害金

五  原告森本が、二四四万六五五〇円及びこれに対する平成九年七月一日(原告森本による支払の翌日)から完済まで民法の定める年五分の割合による遅延損害金

の各支払を求める限度で理由があるから、その限度でこれらを認容し、原告らのその余の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし、訴訟費用の負担について民事訴訟法六一条、六四条本文を、仮執行の宣言について同法二五九条一項をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 川勝隆之 裁判官 坪井宣幸 裁判官 澤村智子)

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